スポニチの報道によると、来年2016年から有馬記念の優勝賞金が5000万円アップの3億円レースとなるそうです。昨年2014年の優勝賞金が2億円で、今年ジャパンカップと有馬記念が共に5000万円アップし、3億円と2億5千万円となっていたのですが、11月末のジャパンカップのあとに続けて有馬記念では体力がもたない、ということで有馬記念を回避してしまう馬を減らす目論見のようです。
ジャパンカップは日本を代表するレースとして賞金が日本一である必要はありますが、有馬記念は日本で一番売上のあがるレースとして、やはりJRAとしても大切にしたいレースでありますが、そのためにジャパンカップよりも賞金をあげてしまえば日本を代表する国際招待競走というジャパンカップの体裁が崩れてしまいます。
賞金を下げるわけにもいかないでしょうから、調整調整でついには3億円同士の同額となってしまいましたが、一気に5000万円の増額とは思い切ったことをすると思います。同じG1でも2歳チャンピオン決定戦の阪神JFや朝日杯FSの優勝賞金は6500万円です。ほぼG1ひとつ分を増額してしまうようなもので、驚きの高額ですね。
昨今の円安のおかげで海外レースの優勝賞金に押されがちだった賞金争いに一気に追いついて、といったところでしょうか。世界で一番高額なレースといえばドバイワールドカップが優勝賞金600万米ドルなので1米ドル120円換算で7億2千万円相当ですから、こちらはさすがに次元が違うとしても、凱旋門賞の優勝賞金は285万7000ユーロで約3億8000万円ほど、メルボルンカップは3600万豪ドルで約3億1500万円ほどになり、世界の高額賞金レースと並ぶと言えるほどの金額となりました。
とはいえ、ジャパンカップも以前2億5000万円に増額したときにはドバイワールドカップにつぐ世界2番目の高額レースと言われたものですが、気がつけば5000万円増額しても追いつかない、そんな賞金の高騰が世界的に見られるため、有馬記念、ジャパンカップも5000万円の増額がやむなしというのが実情なのかもしれません。
そして、凱旋門賞はまだまだ増額するロードマップも打ち出されており、2018年には優勝賞金300万ユーロを越える予定になっています。どこまで登り続けるのかわかりませんが、日本もジャパンカップでは世界の有力馬を招待したいという意思があるために、世界の一流レースと比べて賞金面でグレードが落ちると思われるわけにはいきませんので、まだまだ賞金があがることも予想されます。
実際問題、お金を増やしても超一流どころの外国馬はなかなか来てもらえないので賞金以外のところで工夫する必要があるのではないかと思ってしまいますが、良いアイデアはそう簡単に浮かばないのでしょうね。競馬ファンの文字通り血と汗の結晶である売上から捻出される予算なのですから、大事に使ってもらいたいものです。