一年の締めくくりを迎える有馬記念は数ある日本の競争の中でも最も注目度の高いレースなので、時代を築いたスターホースたちの競走馬人生を締めくくるにも最良の日で、過去を振り返れば毎年のようにそのような馬が現れています。
近いところで近年でもジェンティルドンナ、オルフェーヴル、ダイワスカーレット、ディープインパクト、そして古くはオグリキャップ、トウカイテイオーなどがいます。その他にもたくさんいます。
そして、今年もそんなスターホースたちに続くように有馬記念で引退が決定している馬がいます。みんなだいすき(?)ゴールドシップです。そのやんちゃぶりから大好きな方もいれば、大金を持って行かれて大嫌いな人もいるでしょう(笑)とはいえ、その人気ぶりはネット競馬の掲示板からも簡単に伺えます。
血統的に近いところでは、2011年三冠馬のオルフェーヴルと比較してみますと、こちらがネット競馬での掲示板の書き込みが51,268件に対して、一歳年下のゴールドシップは65,804件(共に2015/12/16現在)と、非常に多い書き込みになっています。オルフェーヴルも阪神大賞典での大逸走などヤンチャな部分が多かったですが、このゴールドシップはそれに輪をかけて、といったところでしょうか。サンデーサイレンスからステイゴールドという暴れん坊の系譜を見事に継いでいるともいえますね。
比較ついでにもう一度引き合いに出しますと、オルフェーヴルは阪神大賞典での暴走が目立つだけで、戦績は高い次元でまとまっています。21戦12勝で、2着6回、3着1回、4着以下が2回ですが、その2回が10着、11着と大荒れなあたりがステイゴールド産駒ならでは、という点ですかね。
一方ステイゴールドの戦績を見ると、オルフェーヴルと同程度の能力を持ちつつ、悪い面を更に強調しているよう思います。27戦13勝、2着3回、3着2回、5着3回、7着2回、10着1回、14着1回、15着2回となっています。特に凡走だけならまだしも、出走直後に立ち上がって1番人気の馬券が数秒で紙くずになった宝塚記念での15着は忘れられない思い出となった方も多いでしょう、非常によくわかります。。。
さてさて、そんなゴールドシップ2年前にともに走っていた内田博幸ジョッキーとのコンビ復活でのラストランとなります。そもそも内田騎手が降ろされたきっかけとなったのが、常勝(と思われていた)ゴールドシップでの京都大賞典、ジャパンカップの2連敗、しかもジャパンカップでは15着という大惨敗(と思われていた)が、原因となったようですが、今となってはゴールドシップが15着と聞いても「ああ、悪い方のゴールドシップが出ちゃったか」としか思わないようになりました。
そういう意味では、この2年をかけて内田騎手の禊もすんだといえます。それどころか、ゴールドシップの輝かしい戦績のうち、もっとも多くのG1を内田騎手によりもぎ取ってきているのです。年々ゴールドシップの傍若無人プリが進んでいるのは、じつは内田騎手が乗らなくなったことに起因するのではないかという見方もできます。
となれば、引退ランの有馬記念では有終の美を飾る復活Vということも十分に期待できるのではないでしょうか?実は冒頭に引用しました、数々の有馬記念での引退馬は実は作為的な選出となっており、すべてが有馬記念で有終の美を飾った引退馬達だったのです。
特にオグリキャップなどは終わった馬と言われていたのを若き武豊が復活させたという伝説も残っています。奇しくもゴールドシップはオグリキャップと同じ芦毛。ドラマの舞台は完璧に整いましたが、そこを平然とぶち壊してしまうのもゴールドシップの魅力。
はたして、ヤンチャなゴールドシップか、素晴らしい走りで感動の復活を見せてくれるのか、どのようなゴールドシップを最後に中山に刻み込んでくるのか、楽しみで仕方ありません!